「ACE阻害薬」である「イミダプリル」、「エナラプリル」、「ぺリンドプリル」の違い

薬剤師として転職活動をしている人にとって、求職している間も薬の知識を得ていくことは大切だと考えます。今回は「イミダプリル」、「エナラプリル」、「ぺリンドプリル」の違いをお伝えしましょう。

「イミダプリル」、「エナラプリル」、「ぺリンドプリル」はいずれも高血圧治療に用いる「ACE阻害薬」の一つです。高血圧症以外にも、「イミダプリル」、は糖尿病性腎症、「エナラプリル」には慢性心不全に対しても保険適応があります。また、「ぺリンドプリル」は「ACE阻害薬の中で最も安定して効き目が持続するため、24時間の安定した血圧降下に適した薬であると言えます。「ACE阻害薬」の治療効果に大きな違いはありませんが、このような適応症や降圧効果の持続性によって使い分けることがあります。
「ACE阻害薬」は主に高血圧の治療に用いられ、血圧低下に働きますが、「ACE阻害薬」の歴史は古く、豊富な使用実績があるため高血圧以外にも使えるものがあることが知られています。
血圧は単に下げればよいというわけではなく、24時間を通して安定して下げることが重要です。このとき、「トラフ・ピーク(T/P)比」が一つの指標として使われます。 「トラフ・ピーク(T/P)比」とは「トラフ値」を「ピーク値」で割った比のことです。「トラフ値」とは次回の薬を飲む直前、即ち薬の効果が切れるときの血圧降圧値を意味しており、「ピーク値」とは最も薬がよく効いているときの血圧降下値を意味しています。T/P比が100%ということは、最大の降圧効果が次回の服用直前まで維持されていることを意味しており、T/P比が100%に近いほど継続して服用した場合に降圧効果が安定して長続きします。
高血圧では、朝の起床時に急激な血圧上昇をきたすことがあり、このような血圧の急上昇は、脳卒中や心筋梗塞の大きな原因の一つであると考えられています。前日に飲んだ薬の効果が起床時には既に切れているという状況では、こうした血圧の急上昇が起こってしまいます。そのため、T/P比ができるだけ高く、効果が持続する降圧薬を選ぶ必要があり、米食品医薬品局(FDA)ではT/P比が50%以上の降圧薬を選択することを推奨しています。
「ACE阻害薬」には副作用として「空咳」があることが知られていますが、この
「空咳」を利用して誤嚥性肺炎を防ぐことが可能で、実際に「ACE阻害薬」を使用して高齢者の肺炎発生率を3分の1までに減少することができたという報告もあります。ガイドライン上でも、誤嚥性肺炎のリスクが高い場合には「ACE阻害薬」を積極的に使うことが推奨されており、「空咳」が出れば必ず「ARB」に変更しなければならないわけではありません。「ACE阻害薬」は「ARB」と比べて価格も安く、「ACE阻害薬」に変更することで減薬できる可能性もあるため、薬剤師は必要に応じて薬を提案していく必要があるでしょう。

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