降圧薬「ARB」と「ACE阻害薬」の違い②

薬剤師として転職活動をしている人は、求職期間中も薬についてを学んでおく姿勢は大切かもしれません。前回でもお話した「降圧薬「ARB」と「ACE阻害薬」の違い」についてを引き続きお話します。

「ARB」と「ACE阻害薬」を比較すると、「ACE阻害薬」の方が古くから使われているため、血管や心臓・腎臓など様々な臓器に対する保護効果がすでに立証されています。
そのため、「ACE阻害薬」は「高血圧」だけでなく「慢性心不全」や「糖尿病性腎症」など幅広い適応症を持っているものもあります。
一方で、「ARB」は新しい薬のため、ほとんどの「ARB」の適応症は「高血圧」だけであり、臓器保護効果も報告されてきてはいますが、まだ数は少なく「ACE阻害薬」ほど豊富ではありません。そのため、「ARB」の一つであるカンデサルタンは慢性心不全に適応がありますが、「ACE阻害薬が使えない場合の」という条件が付いており、慢性心不全にはあくまでも「ACE阻害薬」が優先されています。
しかし、「ACE阻害薬」では、副作用で空咳がでることがあります。この「空咳」は「ACE阻害薬」が「ブラジキニン」の分解も同時に阻害してしまうことで起こります。「ブラジキニンが体内に蓄積すると、気道にある受容体を刺激するため、喉の違和感や咳を生じます。「ACE阻害薬」の中では「空咳」が少ないとされている「イミダプリル」でも約4%の頻度で「空咳」が起こります。
一方、「ARB」は「ブラジキニン」の分解に影響しないため「空咳」の副作用はありません。
「空咳」は「ACE阻害薬」の服用を中断する最大の原因になっているため、「空咳」が問題になっている患者さんでは「ARB」に治療薬を変更するのが一般的です。
例外として、高齢者の場合では、「誤嚥性肺炎」の予防のためにあえて咳の出る「ACE阻害薬」を使うことがあります。
価格の観点からは、「ARB」の方が新しい薬であるため高価な傾向があり、また「ARB」にはジェネリック医薬品がないものもあるため、「ACE阻害薬」の後発品を選択することで医療費を大きく削減することができます。しかしながら、ジェネリック医薬品は錠剤の大きさや味、舌触り等が先行医薬品と異なることがあります。高血圧の治療は長期に渡り、薬を飲み続けることになるため、薬剤師としては経済的負担だけではなく、飲み心地という点でも服用を続けやすい薬を提案することが大切となるでしょう。

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